規約と法律がズレるとどうなる?管理組合が抱えるリスクとは
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近年、マンション管理を取り巻く環境は大きく変化しています。
建物の老朽化や区分所有者の高齢化、空室化、相続問題など、従来にはなかった課題が増える中で、マンション管理に関する法律や制度の改正も進められています。
その代表的なものが、区分所有法の改正や、マンション標準管理規約の改正です。
こうした改正には、総会運営や決議要件、管理組合の運営ルールなどに影響が及ぶ内容も含まれています。
しかし、ここで注意したいのが、「法律は変わっても、マンションの管理規約は自動的には変わらない」という点です。
実際、多くのマンションでは、分譲当時に作成された管理規約が長年そのまま使われているケースも少なくありません。
その結果、法律や現在の実務との間に“ズレ”が生じ、総会運営や管理実務で混乱が発生する可能性があります。
今回は、管理規約と法律のズレによって起こりうるリスクや、管理組合が今後注意すべきポイントについてわかりやすく解説します。
1.そもそも「法律」と「管理規約」は何が違う?
マンション管理では、「区分所有法」と「管理規約」の両方が重要な役割を持っています。
まず区分所有法は、マンション管理に関する基本的なルールを定めた法律です。
例えば、
・管理組合
・共用部分
・総会決議
・議決権
・建替え
など、マンション運営に関わる基本事項が定められています。
一方、管理規約は、それぞれのマンションごとに定められる独自のルールです。
総会運営の細かな方法や、専有部分・共用部分の使用ルール、理事会運営など、実際のマンション管理に関する詳細が記載されています。
つまり、区分所有法が「基本ルール」だとすれば、管理規約は「各マンションごとの運営ルール」といえるでしょう。
実際のマンション運営では、この管理規約が非常に重要になります。
そのため、法律だけが改正されても、管理規約が古いままでは、現場で混乱が生じる可能性があるのです。
2.なぜ“ズレ”が発生するのか?
では、なぜ法律と管理規約のズレが起きてしまうのでしょうか。
理由のひとつは、「管理規約が長期間見直されていないマンションが多いこと」です。
マンションによっては、分譲当時の規約をそのまま使用しているケースもあります。
また、理事の交代が頻繁に行われることで、過去の経緯や改正履歴が十分に引き継がれていない場合もあります。
さらに、日常の管理業務を管理会社へ任せていることで、規約そのものを確認する機会が少なくなっているケースも考えられます。
一方で、法律や標準管理規約は、社会情勢やマンション管理の課題に合わせて改正が行われています。
例えば、近年では、
・老朽化マンションの増加
・所有者不明住戸
・相続未登記
・空室化
・投資用マンション化
などが課題として挙げられています。
こうした背景を踏まえ、管理組合がより現実的に運営できるよう制度改正が行われています。
しかし、現場側の管理規約が更新されなければ、法律とのズレが拡大していく可能性があります。
3.規約と法律がズレると起きるリスク
法律と管理規約にズレがある状態では、管理組合運営にさまざまな影響が出る可能性があります。
総会運営で混乱する
まず起こりやすいのが、総会運営での混乱です。
例えば、総会の定足数や決議要件について、法律と規約で考え方が異なっている場合、
・どちらを基準に進めるべきか
・必要な賛成数は何票なのか
・委任状の扱いはどうするのか
などで判断に迷うケースが出てくる可能性があります。
特に、理事会メンバーが毎年変わるマンションでは、認識共有が十分に行われないまま総会が進行してしまうことも考えられます。
決議手続きが問題視される可能性
総会決議に関するルールの理解が不十分な場合、後から手続きについて問題視される可能性もあります。
例えば、
・必要な議決権数の認識違い
・規約解釈の違い
・総会手続きの不備
などによって、区分所有者間で意見が対立するケースも考えられます。
特に、修繕積立金の改定や大規模修繕工事など、金額が大きく関わる議案では、慎重な対応が求められるでしょう。
大規模修繕や設備更新が進まない
管理規約と法律の整合性が取れていない場合、合意形成が進みにくくなる可能性もあります。
マンションでは、外壁修繕や防水工事、給排水設備更新など、定期的な大規模修繕が必要になります。
しかし、総会運営や決議条件に混乱が生じると、必要な議案がスムーズに進まず、工事計画が停滞するケースも考えられます。
修繕時期が遅れることで、建物劣化や修繕費増加につながる可能性もあるため、注意が必要です。
理事会の負担が大きくなる
法律と規約のズレは、理事会側の負担増加にもつながります。
例えば、
・法律確認
・規約確認
・管理会社との調整
・区分所有者への説明
・クレーム対応
など、通常以上の対応が必要になる場合があります。
特に、専門知識が必要な内容については、理事会だけで判断することが難しいケースも少なくありません。
その結果、一部の理事へ負担が集中し、管理組合運営そのものが疲弊してしまう可能性もあります。
4.特に注意したい“古いマンション”
特に注意が必要と考えられるのが、高経年マンションです。
築年数が古いマンションでは、規約が長期間更新されていないケースも多く、現在の管理実態と合わなくなっている可能性があります。
また、
・区分所有者の高齢化
・相続未登記
・空室増加
・賃貸化・投資用化
などにより、合意形成が難しくなっているケースもあります。
そのため、法改正や標準管理規約改正のタイミングで、一度管理体制全体を見直すことが重要といえるでしょう。
5.管理組合が今確認したいポイント
今後の法改正や規約見直しに備え、まずは現在の管理規約を確認することが重要です。
例えば、以下のような点は一度整理しておきたいポイントです。
・規約改正履歴はあるか
・総会の定足数はどう定められているか
・普通決議・特別決議の条件はどうなっているか
・委任状や議決権行使書の扱いは整理されているか
・現在の実務運用と規約内容にズレはないか
また、「管理会社に任せているから大丈夫」と考えるのではなく、管理組合として規約内容を把握しておくことも重要です。
6.規約見直しは“早め”の準備が重要
管理規約の見直しは、すぐに完了するものではありません。
内容確認や理事会協議、区分所有者への説明、総会決議など、一定の時間と準備が必要になります。
また、マンションによって状況や課題は異なるため、一律の対応ができるわけでもありません。
そのため、「対応が必要になってから考える」のではなく、今のうちから準備を進めておくことが重要といえるでしょう。
7.区分所有法改正への対応はサンモール・サービスへご相談ください
区分所有法や標準管理規約の改正は、今後のマンション管理に大きく影響する可能性があります。
特に、総会運営や決議要件は、管理組合運営の根幹に関わる重要なテーマです。
「今の規約が現在の法律や実務に合っているかわからない」
「規約見直しが必要か判断できない」
「管理組合として何から始めればいいのかわからない」
そのようなお悩みがありましたら、サンモール・サービスへお気軽にご相談ください。
サンモール・サービスでは、マンション管理の現場目線を踏まえながら、管理組合運営に関するサポートを行っています。
法改正への対応をきっかけに、安心できるマンション管理体制を見直してみてはいかがでしょうか。

