あなたのマンションは大丈夫?2026年改正区分所有法の影響チェックリスト
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2025年5月に成立・公布された改正区分所有法が、2026年4月1日に施行されました。これにより、マンションの総会運営や管理規約、管理・修繕、将来の再生に関わるルールが変わっています。国土交通省のマンション標準管理規約も、改正法への対応を踏まえて2025年10月17日に改正されました。
法改正の概要を読んでも、「自分たちのマンションでは、実際に何を確認すればよいのか」「すぐ規約を変更する必要があるのか」と迷う管理組合は少なくありません。影響の有無は、現行の管理規約だけでなく、総会資料の作り方や議決権の集計方法、現在抱えている管理課題によっても異なります。
この記事では、改正区分所有法の影響を確認するための項目をチェックリスト形式で整理します。該当する項目がある場合に、理事会が次に取るべき行動もあわせて確認しましょう。
1.まず確認したい「規約と総会運営」のチェックリスト
まず、現行の管理規約と直近の総会資料を手元に用意してください。規約の最終改定日、招集通知、議案書、議決権行使書、総会議事録などを並べると、規約の文言と実際の運用を照合しやすくなります。
以下の項目にYESが多いほど、早めに確認や見直しを行う必要性が高いと考えられます。ただし、YESが一つだから直ちに決議が無効になるという意味ではありません。マンションごとの規約内容と具体的な運用を確認したうえで判断することが大切です。
☑管理規約を2025年10月以降の標準管理規約と照合していない
国土交通省は、マンションの管理規約を作成・変更する際のひな型としてマンション標準管理規約を公表しており、2025年10月17日に改正しました。長期間にわたって規約を見直していない場合や、改正後の標準管理規約との新旧対照を行っていない場合はYESです。
標準管理規約は、それ自体が各マンションへ自動的に適用される法律ではありません。しかし、改正法に抵触する現行規約の条項は、2026年4月1日以降、その抵触する範囲で効力を失うため、規約変更が必要な事項を優先して確認する必要があります。標準管理規約の改正資料では、変更が必須の事項と、適合させることが望ましい事項が区分されています。特に、総会の定足数・決議要件、招集通知に関する条項は優先して照合しましょう。
YESの場合は、現行規約の全文を一度に書き換える前に、改正後の標準管理規約と対照し、法令との整合性に関わる項目から優先順位を付けましょう。
☑総会の定足数・決議要件・招集通知が従来のままである
普通決議や特別決議の成立要件、特別決議を行う総会の定足数、招集通知に記載する内容を改正後も確認していない場合はYESです。改正を踏まえた標準管理規約では、特別決議についても原則として出席者による多数決を可能とすること、特別決議を行う総会の定足数、全議案について「議案の要領」を示すことなどが見直されています。2026年4月1日以降に招集手続きを行う総会は、改正法に沿った定足数・決議要件を満たす必要があります。
確認対象は規約の条文だけではありません。招集通知や議案書のテンプレート、委任状・議決権行使書の様式、出席者数と議決権数の集計表、議事録の記載方法まで含めて点検する必要があります。規約を改定していても、総会資料が古いままでは運用上の不整合が残るためです。
近く重要な総会を予定している場合は、招集通知を発送する前に確認しましょう。判断に迷う場合は、管理会社やマンション管理士、必要に応じて弁護士などの専門家へ資料一式を示して相談すると、確認漏れを減らしやすくなります。
2.「管理・修繕・再生」の影響チェックリスト
改正区分所有法の影響は、日常的な総会運営だけに限られません。連絡が取れない区分所有者への対応、共用部分や専有部分に関係する工事、老朽化マンションの再生方針にも関係します。現在の課題だけでなく、長期修繕計画や将来検討している選択肢も含めて確認しましょう。
☑連絡が取れない区分所有者がいる/大規模な工事を検討している
所有者の所在が分からず連絡が取れない、または連絡不能者がいることで決議や管理が進みにくい場合はYESです。改正法では、裁判所の決定を得ることで、所在等不明区分所有者を集会決議などの母数から除外できる制度が設けられました。ただし、単に連絡が取れないという理由だけで管理組合が除外できるわけではなく、所在を知ることができないことについて必要な調査を尽くすなど、個別の要件と手続きの確認が必要です。
また、バリアフリー化、配管の全面更新など、共用部分と専有部分の双方に影響する大規模な工事を検討している場合もYESです。工事の内容によっては、共用部分の変更に必要な決議要件や、共用部分の管理に伴って必要となる専有部分の保存行為・立入り、費用負担の整理が関係する可能性があります。
該当する場合は、工事案を固めてから規約を確認するのではなく、計画の初期段階で現行規約と改正制度を確認しましょう。専門家へ相談する際は、区分所有者名簿、連絡履歴、工事の対象範囲、長期修繕計画を準備すると状況を共有しやすくなります。
☑建替え・建物更新・売却などを将来課題としている
建物の老朽化が進み、修繕を続ける以外の選択肢を将来検討する可能性がある場合はYESです。改正により、従来の建替えに加えて、建物更新、建物敷地売却、建物取壊し敷地売却、取壊しなどの決議制度が整備されました。また、耐震性不足など一定の客観的事由がある場合には、再生に関する一部の決議要件が緩和されます。
再生は、多数決要件だけを確認すれば進められるものではありません。建物の状態、修繕費用、区分所有者の意向、資金計画、仮住まいや権利関係など、多くの条件を整理する必要があります。制度を利用できるかどうかも、個別事情によって異なります。
今すぐ建替えなどを実施しないマンションでも、長期修繕計画の見直し時に、修繕継続と再生の検討時期を整理しておくことには意味があります。将来の選択肢を早めに共有することで、必要な調査や合意形成に時間を確保できます。
3.診断結果別に取るべき対応
チェック結果は、単純な点数ではなく、該当項目の内容と予定している意思決定の時期を合わせて判断します。近く総会や大規模修繕を予定している場合、法令との整合性に関わる可能性がある場合は、「早急な確認が必要」です。将来課題に関係する項目のみであれば、「計画的に見直す」と整理できます。該当がなく、規約と運用の照合記録もある場合は、緊急度は比較的低いと考えられますが、法改正や運用変更の際には再確認が必要です。
複数該当した場合は現行規約と運用書類を専門家に確認してもらう
複数の項目に該当した場合、近く重要な総会や大規模修繕を予定している場合、規約の最終改定時期が分からない場合は、確認の優先度が高い状態です。理事会だけで結論を急がず、管理会社やマンション管理士などへ相談しましょう。
相談時には、管理規約、使用細則、直近の総会議事録、招集通知、議案書、委任状・議決権行使書、議決権集計表を準備します。規約と実際の書類をセットで確認することで、条文上の課題だけでなく、様式や運用手順の更新が必要な箇所も見つけやすくなります。
改定が必要な場合は、優先項目の抽出、改定案の作成、区分所有者への説明、総会決議、改定後の様式更新までを一連の作業として計画することが重要です。
該当が少なくても定期点検を記録する
該当項目が少なく、すぐに大きな見直しを行う必要がないと判断した場合でも、確認した事実を記録しておきましょう。「いつ」「誰が」「どの資料を」「どの改正項目と照合したか」「次回はいつ確認するか」を理事会議事録などに残します。
管理組合の役員は定期的に交代します。確認記録がなければ、新しい役員が同じ調査を繰り返したり、対応済みだと思い込んだりするおそれがあります。今後、大規模修繕や再生の検討が始まった際にも、過去の判断根拠が残っていれば対応状況を追いやすくなります。
4.まとめ
2025年5月に成立・公布され、2026年4月1日に施行された改正区分所有法は、総会運営、管理規約、所在等不明区分所有者への対応、工事、将来のマンション再生まで幅広く関係します。チェック項目に一つでも不安がある場合は、規約の文言だけを見るのではなく、総会資料や議決権集計などの実際の運用もセットで確認することが重要です。
とくに、近く重要な総会や大規模修繕を予定している管理組合は、早めに確認を始めましょう。サンモール・サービスはマンション管理業者として登録され、マンション管理・管理組合支援業務を行っています。マンション管理士・管理業務主任者・マンション維持修繕技術者などの資格を持つ社員も在籍しています。管理規約や総会運営について、どこから確認すればよいか迷っている場合は、サンモール・サービスへご相談ください。管理組合の状況を整理し、必要な対応を検討する第一歩につなげられます。



